“PRESIDENT Online”にて元JT執行役員R&D責任者 米田 靖之氏の
「異動」についての記事があがっております。
「人事異動で、まったく畑違いの部署に移ることに」「ずっと異動希望を出し続けているが、まったく通らない」……。自分のキャリ…
40代サラリーマンの”ひら”としては、とても興味深い内容でした。
会社都合による人材マネジメントの在り方と、これから先が読みにくい時代に向けて、
個人が考えておかなければいけないことについての記事になります。
他部門に異動させる目的
米田氏はJTに入社して以来の配属は以下の様な状況だったとの事です。
最初からして、東京に近い小田原工場に行きたかったのに関西工場だったし、アメリカ研修から帰国した後は本社で新規事業に関われると思ったら、まさかの人事部に異動。その後のM&Aのチームにしろ、製品開発にしろ、研究所にしろ、思いもよらない、まったく未経験の部署を転々としてきました。
まさに(過去の?)日本の大企業人事ですね。
あなたはこのように多部門に異動し続ける状態を希望しますか?
なぜ、このような人事をするのか?
人によって得意なことはさまざまです。仕掛けるのが得意な人、きちんと継続させるのが得意な人、ゴールに持っていくのが得意な人……それぞれ向き・不向きがあります。そういうところも見て、人事はうまく配置することを考えるのだと思います。
人によっての得意とする部分を職種(営業、技術等)を超えても
期待できる事があると会社が判断するためです。
もちろん、イレギュラーは多々あると思いますが、
少なくとも米田氏のキャリアを考慮した場合はこの様な意図が働いていたのだと想像できます。
会社として、この判断は見方次第では間違ってはいないと判断できます。
上記の記事でも記載しましたが、
会社としては経営に関わる人は判断の精度を求めるなら、ゼネラリストを育てたいからです。
本人より人事のほうが全体のことをわかっている!?
さらに米田氏は以下のように続きます。
現実問題、人事の判断が正しいかどうかはわかりませんが、少なくとも本人より人事のほうが全体のことをわかって配置しているので、ここは「正しいと思い込む」のが得策なのです。
人事がどこまで全社員の能力適正を把握出来ているか?の前提があるのですが、
「人事のほうが全体のことをわかって」とあります。
会社に所属する社員を相対比較した上で、
「全体=会社」にとって良いと思われる人事をするということになります。
つまり、米田氏の意見は会社視点であることがわかりました。
経営者であれば、当然の思考になります。
いかに本人が希望している職種であっても、有能であれば、
その人の特性が異なる職種で活きると感じれば、異動させ、ゼネラリストを育てたいからです。
ただし、米田氏の場合は良いケースであって、例えば、能力のある2人がいた場合は、組織の都合により1人は犠牲になる可能性は十分に考えられます。
組織で働く以上は仕方のないことではありますが、それがあなただとしたらどう思いますか?
しかし、米田氏のコメントから、JTは人事の力があることがわかります。
会社の希望と本人の希望のギャップを埋める施策はなされていないのでしょうか?
終身雇用が成立しているのならば、「安定」は保証されるので、仕事をする目的次第では妥協することも選択肢としてはありえます。
もう昭和ではありません。
終身雇用が崩壊した現在、会社が吸収合併や倒産した場合の事を考慮すべきです。
本人の希望とは違うところに配置する場合は、キャリアプランの説明責任があります。
むしろ、「安定」を期待できない現在及び今後の社員は、
自身のスキルを磨くために別のステージへ移る(転職)可能性をも考慮しなければ、
優秀な人材を失いかねない世の中になりつつあることを意識すべきです。
「個」は、この様な人事をどう捉えるべきか?
できるだけ、シンプルに考えていきたいと思うのですが、
あなたはどうして、今の会社で働いているのですか?
出世したいから。やりがいを感じるから。家族を養うため。食っていくため・・・
色々な理由があると思います。
その理由が会社が求めていることとマッチングが得られていれば問題はないです。
もしマッチングが得られていないのならば、会社都合に振り回されていることになります。
そういった経験を通して、「ムダなキャリアパスはない」と実感しています。配属されたその場でがんばる、それが一番ではないでしょうか。
このコメントにおいても、自分としてのWINを感じることができなければ、
「その経験はキャリアパスとしてムダかムダではないか?」は会社都合の価値観でしかありません。
例えば、あなたは営業職が好きで、出世に興味がない。
しかし、会社としては、あなたの能力を期待してゼネラリスト育成対象として営業職以外での経験をさせる。
たしかに、今、興味がなくても、きっかけをもらうことで興味をもつ可能性も充分に考えられます。
ですが、興味をもつことが出来なければ、ムダな時間を過ごすこととなり、
その期間に本来伸ばせるはずの能力を止めてしまうことになります。
もう、当ブログではお馴染みのワークシフトの考え方も大切ですが、その前に…
リンダ・グラットン著
ワーク・シフト ― 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図〈2025〉
10年後、今と変わらない世の中だと思いますか?
ちなみに10年前、日本ではiPhone元年です。
スマートフォンによりライフスタイルがここまで変革することを予想してましたか?
おそらくインターフェイスはタッチパネルと声が使い分けされていて、
それに併せてデバイスも変化していることでしょう。
また、日本における製造業(特に中小企業)はかなり業界構造も変革している最中と思われます。
そんな世の中の移り変わりからも、
現職は、スキルを身に付けられる環境であるか?
あなたは、それらを主体的に考えていかないといけないのです。
自身を棚卸し、転職活動を経て市場価値を認識することをオススメします。
40代の転職の考え方を参考にしてみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。