コーヒー中毒の40代サラリーマンの”ひら”です。
今回はコーヒー市場をマーケティング思考で分析します。
多様化するコーヒー
様々な缶コーヒーがコンビニに並んでいます。
また、街には数多くのコーヒーショップがあります。
さらには、コンビニで淹れたてコーヒーが格安で飲めます。
コンビニが淹れたてコーヒーを提供する様になり、
缶コーヒー業界に緊張が走ったそうです。
ですが、
結果的には缶コーヒー市場はなんとか微増したそうです。
なぜ缶コーヒー市場も伸びたのか?
それはボトル缶市場の成長だそうです。
ここ最近はペットボトルのコーヒーがコンビニにも多数置かれていますよね。
なぜ最近、ペットボトルのコーヒーが店頭にならんでいると思いますか?
マーケティング手法の1つ、STP分析で考えてみたいと思います。。
ペットボトルコーヒーをSTP分析してみる。
STP分析
STP分析とは下記の略になります。
Segmentation セグメンテーション(市場の分類)
Targeting ターゲッティング(分類した市場の決定)
Positioning ポジショニング(立ち位置の明確化)
コーヒー市場をポジショニングから分析してみます。
ポジショニングとは
市場ニーズの価値を軸にし、自社商品やサービスの立ち位置を決めます。
コーヒーの価値軸として
「クオリティー」と「コスト(購入価格)」から考えて見ます。
スターバックスやドトールを初めとする
淹れたてコーヒーを提供するコーヒーチェーン店。
そしてコンビニや自販機で購入できる缶コーヒー。
これらは上図のような位置づけとなります。(上方向、右方向に高い)
すると、クオリティーが高くコストを安く提供するポジションが空いてますよね。
そこを圧倒的な店舗数を持つコンビニがコスト優位性を活かしやすい
淹れたてコーヒーがぴったりはまります。
このような状態ですと、缶コーヒーの強みが打ち消されてしまいます。
その他のいくつかの価値軸を考慮してみます。
「携帯性」や「量」の価値軸を設けます。
携帯性の優れたポジションが空いています。
ここで蓋付のボトルコーヒーが位置します。
さらに、「量」と「コスト」の価値軸でみると、
低価格かつ量が多い商品の位置が空いています。
ここにボトルコーヒーが位置します。
この様に考えることで、市場ニーズがあることが確認できるからこそ、
ボトルコーヒーが店舗に並ぶのも納得できますね。
ですが、ペットボトルである必要性を感じませんよね?
ここに原価軸を設けると、ボトル缶はコスト高により利益率が落ちるとの事。
これは消費者視点ではないので、
ボトル缶の方がペットボトルより優位性があります。
ちなみにボトル缶コーヒーの蓋が大きい理由は
香りが伝わりやすくするためだそうです。
ところが、ペットボトルコーヒーは蓋は小さいです。(大きくできますよね?)
この様に考えると、ペットボトルのニーズは弱いですよね。
この部分は実はターゲッティングから答えがみえます。
セグメンテーションとターゲッティング
セグメンテーションとは、市場を分類すること。
そして、ターゲッティングとは、分類された市場からターゲットを決める事です。
市場を分類する際に下記の4つが主に使われる変数になります。
・地理的変数(ジオグラフィック変数)
・人口動態変数(デモグラフィック変数)
・心理的変数(サイコグラフィック変数)
・行動変数
例えば、地域や人口、駅、年齢、性別、職業、所得、考え方、使用場所等
これらの中からターゲッティングするのです。
ペットボトルコーヒーのクラフト・ボスはマーケティング大賞を受賞しております。
クラフト・ボスがターゲットとしているのは?
その回答はCMにあらわれています。
・外で働く人とオフィスワーカーを対比(職業によるコーヒーの飲み方の違い)
・最近の若者の考え方の変化と「新しい風」のキーワード(缶のイメージチェンジ)等
ターゲットを明確に打ち出していますね。
オフィスワーカーなので休憩時に缶コーヒーを飲むというよりは、
デスクの横に置き、いつでも飲めるスタイルへのアプローチ。
新しい考え方の若者へ訴求するブランディング
つまりコーヒーは本格的である必要性はなく、お茶と同様に飲むものと捉えてます。
そのため、味も薄くしているそうです。
ボスのCMはもうかなりの長い時間をかけて
「外で働く人の一息に缶コーヒーを!」と言ったマーケティングがなされてきていました。
それだけに、今回のCMは違いを明確に打ち出すことで
ブランディング化が成功しているのです。
正直な感想、僕はペットボトルで飲むコーヒーは美味しいと思いません。
恐らく味の前にペットボトルの臭いの性ではないかと思っています。
確かにターゲットはカジュアルにコーヒーを飲む人なのでしょうが、
消費者は飽きやすい。
いずれ淹れたてコーヒーを口にすることで、クオリティーに気付く可能性もあり、
少しでも味が良く、ポジショニングも近いボトル缶コーヒーや、
バリスタの様に手軽で低価格帯でも味も楽しめるコーヒーへ流動してしまう可能性もあり、
ペットボトルコーヒーは苦戦を強いられる可能性がある気がしています。
バリスタのポジショニングはどこですか?
STP分析思考で考えてみるのも楽しいですよ!
まさにマーケティングで成功した商品ですね。
僕の実家、会社でも愛用しています。
ネスレ日本代表取締役社長兼CEOの高岡浩三氏が、「ネスカフェ アンバサダー」などの取り組みや全員参加のイノベーションの土…
ブルーオーシャンとレッドオーシャン
ブルーオーシャンとは競争のない未開拓市場。
レッドオーシャンは競争の激しい市場。
当然、ブルーオーシャンで商品やサービス展開したいですよね。
しかし、ブルーオーシャンは未開拓市場=消費者が認知していない市場であり、
市場を開拓する必要性があるのです。
どんなに良い商品やサービスを作っても、認知させなければならず、
消費者に受け入れられたとしても、
模倣が容易であればたちまちレッドオーシャンにシフトします。
よって、ブルーオーシャン戦略の難易度はかなり高いと言えます。
ならば
レッドオーシャンで戦わなければいけないのか?
そうです!
そこで、STP分析が活きるのです。
先程のペットボトルコーヒーのようなポジショニングは、未開拓市場でもあるのです。
だからこそ、先程のCMで新たな市場を開拓するための認知活動が必要であり、
ターゲッティングがうまくいったことにより成功したと言っていいでしょう。
しかし、ブルーオーシャンの期間は束の間…
技術的ハードルが低いので模倣されてしまい、結果競合もペットボトルコーヒーをリリース。
これによりレッドオーシャン化してきています。
こうなると先程のポジショニングからも味での差別化ではないので、
ブランディング効果への期待となります。
このようなポジショニングでうまくいっている例は
ユニクロの「ヒートテック」です。
機能、価格。そしてブランディング。
ユニクロは東レの技術を独占することで、技術的優位性を確保し、
圧倒的規模の経済で低価格。かつユニクロのブランド。
競合はこれらと肩を並べるか?
超えていかなければいけないのですが、ハードルが高すぎることで
ヒートテックの機能を持つインナーはユニクロにとっては
ブルーオーシャンと言っても過言ではないです。
ニッチ戦略とはまさにことことです。
すでにレッドオーシャン市場であっても
足す、省く、ズラす等でニッチ戦略(ブルーオーシャン戦略)を形成。
商品やサービスのハードルが高ければ高いほどにブルーオーシャン状態が形成される。
そこにブランディング戦略を添える。
USPについても併せて考えてみてください。
マーケティングの面白さでもあり重要さがわかりますね。
最後までお読みくださりありがとうございました。