こんにちは、40代サラリーマンの”ひら”です。
“a5log”で組織運営の記事が増えてきている中で、常にキーワードとしてあがってくるのが
「コミュニケーション」です。
今回は、コミュニケーションが成立する前提として言葉の定義の重要性についての話です。
「会社を良くしたい」の想いのベクトルは同じか?
過去に僕が戦略室を実質引っ張っていた時、僕の直属の上司であった取締役とは
「会社を良くしたい」は共通キーワードでした。
しかし、同じ想いであっても結構ベクトルは異なる事が発覚しました。
「会社を存続させる」にもディメンジョンを掘り下げていくと異なっていきます。
そのズレをお互いに確認し共通理解を得るため、業務中はもちろん、毎週最低1回は飲み、必要に応じて土日も電話で何時間も話をしました。
多分この年は僕が1番話した言葉数では取締役が1番だったのではないかと思います。
そして、話に話まくった結果、なんと「経営理念」の捉え方が異なる大問題が発覚しました。
経営理念=会社における存在「目的」に位置します。
その経営理念の捉え方が異なりながらも経営方針等を議論していたのです・・・。
それだけ、
実は同じ想いであっても、ズレが生じているもの。
コミュニケーションゲーム
組織運営等について、外部の考えも必要なので、様々なコンサルとも面談させてもらいました。
その中、あるコンサルの提案により取締役と僕とで、
コミュニケーションの難しさについて実感するための簡単なタングラムを用いたパズルゲームをやりました。
ゲームのルール
取締役と僕にそれぞれ封筒を渡され、中にはタングラムがはいっていました。
お互いに手元のタングラムは見せてはいけないルール。
「伝える側と受け手側と決めてください。」
取締役は社員に思いを伝えられなければいけないので、伝える側に。僕は受け手側。
まず最初に取締役がコンサルの示す形状をタングラムで作ります。
その形状をジェスチャーなしで「言葉のみ」で、
僕が同様の形状を10分以内で作るといったコミュニケーションゲーム。
その時、下記の様な形状が取締役の手元に作られていました。
ゲーム中の会話
最初にピースの数や色についての確認からのスタートでした。
取「直角ではない斜面同士を合わせる」
僕「んん???」
僕「三角形のピースはどの面と接するのですか?」
取「二等辺三角形の長辺ではない側の片方」
僕「??? えーっと大きいピースは新幹線の形ですよね?新幹線は右手側向いてますか?ひっくり返ってますか?正常ですか?」
取「あー右手側向いてて、ひっくり返ってるよ!で、新幹線がひっくり返ってる面に二等辺三角形がくっつく」
僕「? えーっとこれらがくっつくことで矢印みたいになりますか?」
取「そうそう!」
僕「では、青の小さな二等辺三角形が上側で赤の新幹線がひっくり返っているものが・・・」
取「小さな二等辺三角形は青じゃなくて黄色だよ?」
僕「!?」
色も形状も同じピースを保有しているとの思い込みで話をしていたことになります。
ただし、「新幹線」という共通認識できるワードのおかげで、3分程度で3つの組み合わせは完成。
ただ緑のピースはなかなか定まらずタイムアウト。
コンサルが言うにはこれはコミュニケーションの難易度を5段階に分けるところの2番目に簡単なレベルだったそうです。
ある程度、コミュニケーションがとれていると思っていた取締役と僕でさえレベル2がクリアできませんでした。
言葉の定義の重要性
コミュニケーションゲームからも、
「思い込み」からの議論だったこと。
「新幹線」という共通認識ワードを得たこと。
これが何を意味しているのでしょうか?
例えば、議論している内容が
「回鍋肉に使われる野菜のクオリティーを上げる」とします。
あなたは「回鍋肉に使われる野菜」と言われて何をイメージしますか?
「キャベツ」のみをイメージしていいる人、
「キャベツと人参、長ネギ」をイメージしている人、
回鍋肉に使われる可能性のある「野菜全般」をイメージしている人。
様々です。
ここで、ある人が「食感を出したい」と発言したとして、
先程のそれぞれ異なるイメージを持ったはずの人達に「伝わってしまう」のです。
この結果、「ズレ」が生じてしまうのです。
そしてこの「ズレ」が議論を複雑にしてしまうのです。
先程のコミュニケーションゲームにおけるピースの種類、回鍋肉の野菜、
いずれも思い込み前提でそれぞれが理解している。
先程のゲームの例で説明しづらいピースを「新幹線」と定義することでお互いの理解が進む。
つまり、
言葉の持つ意味の定義は重要なのです。
ディメンジョンのズレでしたら、マインドマップを用いることで解決します。
改めて、コミュニケーションにおける大前提でもある
「言葉の定義」について着目してみてください。
最後までお読みくださりありがとうございました。