セリグマンの実験


セリグマンという心理学者行った実験について


セリグマンの1回目の実験


電気ショックの流れる部屋に2匹の犬を入れました。

・1匹にはボタンを押すと電流が止まる仕掛けを設ける。
・1匹は何をしても電流が止まらない環境にする。

前者の仕掛けがある方の犬はボタンを押すと電流が止まるということを学習し、
ボタンを積極的に押すようになった。

後者の仕掛けのない犬は最終的に何の抵抗もしないようになってしまいました。

 

セリグマンの2回目の実験


先程の2匹の犬を

・飛び越えられる仕切のある部屋に入れました。

前者の犬は早々にしきりを飛び越えた。
後者の犬は何の行動も起こしませんでした。

この実験から、
自分が何をやっても結果が変わらないと学習することで、
どんな状況に対しても行動を起こさなくなってしまうことを「学習性無力感」と言います。

 

本当なら出来るはずの課題であっても、

「何をしても無駄」
「何を言っても無駄」

と思い込んでしまい、本来なら出来るはずの課題にすらチャレンジしなくなる状態です。

その他、似た例えとしては、

「サーカスの象」は小さい頃から杭に繋がれていたので、
大きくなって杭を引き抜く力を持っているにも関わらず引き抜こうとはしない。

 

「学習性無力感」は「諦める」ことを学習してしまう事です。

 

 

学習性無力感が引き起こされる例

 

学習性無力感はどのようにして引き起こされるのか?
具体例をいくつかあげます。

 

「目標設定」

数値的に達成不可能な目標設定を授ける。
結果的に達成出来ずに終わる。
次の計画時も同様に達成不可能な目標設定。
これを繰り返すうちに、どうせ無理となり目標達成出来ないことに動じなくなる。

 

「上司の考えを探る会議」

会議において、様々な意見がとりかわされる。
しかし、最終的には課長や部長の考えに沿った内容しか決まらない。
この様な状態が何度と繰り返す内に、課長や部長の考えに沿った内容を考慮して意見がとりかわされる。
「どうせ課長や部長に考えあるんなら、それでいいんじゃない?」と考えてしまう。

 

「全社に関わる決定事項はいつも役員会議の中」

どんなに意見を交わしても、最終的にはクローズな役員会議の中で判断される。
しかもクローズな状態でもあるため、責任の所在も不明確な状態から
いつしか役員は判断の説明責任すら失う。さらには判断すら出来なくなる。
気付くと現場を知らない役員と社員の距離は広がり、互いに何も求めない状態となる。

 

このように、学習性無力感とは「どうせ無理でしょ」と学んでしまい、
諦めて何もしなくなってしまうことです。

 

 

学習性無力感を呼ぶ指導方法。その対策方法。

 

学習性無力感は、実は指導法についても当てはまります。


コーチングを学んだ方はご存知だと思いますが、
部下に「考えさせ、自分自身で気づかせる」とありますよね。

 

しかし、最終的に「そうじゃなくて○○だよ」みたいな事が続くと、
部下は上司がどんな答えを求めているのか?試されてるのか?とズレた方向に進み、
次第に面倒くさい…となります。

 

もし、あなたがそのような教育を行っているのでしたら、

「あなたはパーフェクトではない!」事を自覚し、
部下の意見を素直に受け入れ、なぜそのような意見なのか?を確認し、
自身の考え方をブラッシュアップする位の謙虚さが必要です。

 

年を重ねた分、知見は多く若手よりも様々なノウハウを持っている。
しかし、外部環境は変化しています。

 

あなたはワークシフトの考え方を受け入れられますか?

 

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目次 1 ワーク・シフトにおける主張2 ワーク・シフトの考え方を”車の在り方”から考えてみる3 長期戦略こそPEST分析…

 

少なくともワークシフトの考えは若者の方が受け入れています。
さらに、外部環境の変化は「さとり世代」はむしろ敏感に感じ取っています。

 

もしあなたの部下のやる気のなさを感じた場合、
あなた自身に問題はないか?何かできることはないか?と考えるべきです。

 

しかし、学習性無力感の対処方法は難しくありません。

・話を聞き、認めること。
・小さな成功体験を繰り返す目標設定を授けること。
・個人の持つ「強み」を把握したチャレンジを促すこと。

これだけでも学習性無力感から脱する可能性は十分見込めます。

 

「強み」を把握するためにはストレングスファインダーやエニアグラム等の
ツールを使うことで「強み」をより具体的に把握できます。

 

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40代は仕事人生の折り返し地点。 あなたがあなたらしく仕事をする後半戦のスタートです。   目次 1 人生の棚卸は「強み…

 

あなた自身は学習性無力感に陥っていませんか?

 

最近のビジネス記事を拝見すると見るから若いな!と思う顔が並んでますよね。

インターネットにより情報が容易に入手出来る事により、
人々の生活、考え方が大きく変化してきています。

彼らはその変化からチャンスを摑んでいるのです。


40代サラリーマンは仕事人生折り返し地点。まだ20年は働くのです。

外部環境の変化に目を閉じても最終的には自分に帰ってくるのです。
知識やスキルにもライフサイクルがあります。

 

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1. 早期退職やリストラ…あなたはどうする?2. プロダクトライフサイクル、PPMの捉え方を金型市場を例に考える。3. …

 

現状に学習性無力感を感じていませんか?
外部環境が激変しているのです。あなたはチャレンジを諦めてませんか?

 

最後迄お読み下さりありがとうございました。

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